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一般向けトピックス 2007年分は → こちらです
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一般向けトピックス 2005年分は → こちらです
自家がんワクチンについて ネットテレビ でみるなら → こちらです |
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ご注意とお願い |
以下の記事は、セルメディシン株式会社の研究者が集めた話題を、がんワクチン療法に興味ある専門家のために提供しているものです。慎重に記述はしておりますが、筆者の嗜好、誤解等が混入している可能性がありますことを、あらかじめご了承願います。 |
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08.11.29 |
第5回がんワクチン療法研究会から−その3
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先週22日(土)、東京・秋葉原にて第5回がんワクチン療法研究会が開催されました。今回の会では、「低用量化学療法」の効果とがん免疫療法との併用例の検討が主題です。
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前号に続き、以下に注目された一般演題を紹介します。
【一般演題1−1】低用量抗癌剤併用下に自家癌ワクチン療法を施行し3年8ヶ月の無再発を得た
進行胃癌の一例
これは尾道総合病院からの症例報告ですが、2005年1月の手術時に腹水中細胞診で陽性のため非治癒切除に終わった方です。しかも術後のUFT内服治療(300mg/day)では、薬疹が発生したため、患者は処方薬をほとんど服用していないという、結果的には「自家がんワクチン3コース+超低用量UFT」併用になってしまった症例です。
2008年9月に肝転移とリンパ節再発を認めるまで3年8ヶ月無再発を得、現在生存中です。術時の腹水混濁状況からはこれほどの長期間無再発は考え難く、マイルドな化学療法との併用が奏効したものと思われます。
【一般演題1−2】自家腫瘍ワクチンとテモゾロマイドの併用療法で著明な縮小を認めた膠芽腫の1例
Glioblastoma multiformeは進行がんの中でも特に治療に難渋することが知られていますが、現在標準治療となっている「手術+放射線+テモゾロマイド」治療後の再発症例に、間歇的テモゾロマイド維持療法の合間に自家がんワクチン1コース接種を挿入したところ、わずか1ヶ月でPRとなったという、筑波大からの報告でした。
本例では、「放射線再照射が行われていない点と、1コース目のテモゾロマイド内服のみでは腫瘍縮小を認めなかった点より、自家腫瘍ワクチンもしくは、テモゾロマイドとの併用が腫瘍縮小の原因となった可能性が高いと推測される」と述べています。
【一般演題1−4】自家ワクチン療法を施行した神経膠芽腫に関する治療経験
これは、東京女子医大脳外科・銀座並木通りクリニックからで、2003年3月〜2007年12月の間のGlioblastoma multiforme(GBM)治療例29例をまとめた報告でした。
興味深かったのは、「初発症例:手術+放射線+ワクチン療法」17例と、「初回症例:手術+放射線化学療法(ACNU, VCR) → 再発前にワクチン施行」7例の比較でした。他に「再発症例:手術+放射線化学療法 → 再発後にワクチン施行」5例があります。
「初発」と「初回」の定義を混同しやすいのですが、後者には化学療法が含まれている点が違います。「初発」のOS中央値は21.4ヶ月、しかし、「初回」症例のそれは38.2ヶ月もありました。
しかも、初回症例中には、50.5ヶ月と33.9ヶ月という、従来常識では考えられない長期生存例が2例出ていました。
「再発」症例のOS中央値は19.7ヶ月で、これでも、(再発症例が含まれず初発GBMを対象にした)
標準治療の根拠となったStuppの報告「手術+放射線+化学療法(テモゾロマイド)」のOS中央値14.6ヶ月よりも長くなっています。
演者は、「GBM初期治療にて自家ワクチン療法を施行した29例では、現在標準とされている手術+放射線+テモゾロマイドに比べてOS、PFSいずれも成績は上回っていた」と結論づけています。
ロビーで聞いた演者の感想は、「解析してみて、自分でもびっくりしました、こんなに効いているとは」というものでした。GBMでは、少なくとも「手術+放射線化学療法」の初期治療後、“再発前に”、「自家がんワクチン療法」を実施すれば、3年以上も生き延びられる可能性があることを示唆しています。
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自家がんワクチンは放射線治療との相性が良いことを示す発表は、他にもありました。
【一般演題1−3】「切除・電子線照射・自家癌ワクチンの併用」が奏効した再発下腿MFH (malignant fibrous histiocytoma) の一例
つくばセントラル病院からの報告では、「四肢MFHは根治術後も約44%に再発・転移を生ずる予後不良の疾患」とされており、「再発腫瘍切除後の局所再発や遠隔転移を抑制する有効な治療法は確立されていない」とのことです。
今回の症例は、根治術後の再発例で、他院では下肢切断を宣告されていた方ですが、自家がんワクチンと電子線照射の併用により下肢切断を回避、現在も再々発なく、術後2年10ヶ月経過後も完全社会復帰しているとのことです。
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以上のように、最難治性がんであるGBMでさえ、標準治療の2倍以上のOS中央値になるというほどの好成績になるならば、他のがん種でも、「手術+放射線+(免疫系を壊さない低用量の)化学療法+自家がんワクチン」という治療体系に変更することによって、がん治療成績を大幅に向上できる可能性があります。
今後、弊社では、真摯にこの可能性を追求して参りますが、どうか読者の先生方にも前向きにご検討賜れれば、たいへん有難く存じます。
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今回のがんワクチン療法研究会では、これらの他にも、
【一般演題2−1】自家がんワクチンによる肝癌の再発予防あるいは進展阻止効果についての検討(京都府立医大、たけだ免疫・遺伝子クリニック)
【一般演題2−2】樹状細胞調整法の工夫と肝癌免疫療法の開発(金沢大)
【一般演題2−3】イヌおよびネコの自然発症腫瘍に対する自家がんワクチンの評価(鳥取大)
の発表がされ、自家がんワクチン治療法から樹状細胞療法にまで、研究対象の間口が広がってきています。今後この研究会は、他のがん治療法を巻き込み、益々発展していくものと思われます。
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159 |
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08.11.29 |
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先週22日(土)、東京・秋葉原にて第5回がんワクチン療法研究会が開催されました。今回の会では、「低用量化学療法」の効果とがん免疫療法との併用例の検討が主題です。
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会長講演に続いて行われた教育講演は、
「がん休眠療法--免疫療法に相性の良い抗癌剤治療とは--」
で、千葉大・がん分子免疫治療学の高橋豊先生から、がん休眠療法の理論について丁寧な解説がありました。
要点を並べると、
・従来の標準的抗がん剤投与量は、わずか10-15人程度の被験者で決定された最大耐用量(MTD)かその一つ前段階の量を、いきなり誰にでも投与している。お酒に強い人、弱い人がいるのを全く無視してウイスキーのがぶ飲みを強いるようなもので、継続投与が不可能になりやすい。
・継続不能となって投与を中止すると、がんは急速に再増殖する。がん細胞数は指数関数的に増えるため、抗がん剤によりPRを得られていたとしても、中止後はすぐさま元以上の大きさになり増大していく。
[* 筆者注:仮に2日に1回分裂するとすれば、RECIST法でPR(直径が30%減少、体積換算では65%減少にあたる)となっていたとしても、抗がん剤を中止するとわずか4日で4倍となり、元よりも大型化する計算になります。]
・症例ごとに抗がん剤の効果があった期間を調べてみると、がんサイズ等の指標は一旦減少するが、その後定常状態となり、再び上昇してくるパターンとなる。その中では、定常状態期間が最も長く、全体の有効期間を決めている(1, 2)。
・それならば、意図的に定常状態を長引かせるように継続可能な投与量に減量して抗がん剤を投与すれば、延命効果が得られるはずである。
・そこで、まず標準の半量を投与、耐性のある患者は次の段階で増量し、ない患者はさらに減量するという方法を段階が進むごとに繰り返していくという (個別化最大継続可能量、iMRD) 方法(3)によるランダム化臨床試験を行い(4)、投与量の差では生命予後に差がでないことを確かめた(全国的な大規模臨床試験の最終結果は、European Society for Medical Oncology, ESMO2008で報告)。
・低用量抗がん剤の血中濃度を効果が期待できる濃度に保つのが理想だが、実際上は、患者ごとに毒性をグレード 1ないし 2に合わせるように投与すればよい。
・GemcitabineやTS-1は、比較的毒性が低く継続性で優れている。iMRD法をとれば、免疫療法との相性は良いはずだ。
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東大薬学部で11年間にわたり抗がん剤の実習と講義を担当し、あまりの毒性の強さに辟易してすっかり抗がん剤嫌いになっていた筆者にとっては、前号のドクター通信No.158で報告した銀座並木通りクリニック・三好立先生の会長講演とともに、目からウロコの講演でした。
ドクター通信の次号では、今回のがんワクチン療法研究会で発表された、低用量化学療法(GemcitabineやTS-1だけではありません)と自家がんワクチン療法を併用し優れた効果が認められた実際の症例について報告します。
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REFERENCES
1.Takahashi Y, Nishioka K. Survival without tumor shrinkage: re-evaluation of survival gain by cytostatic effect of chemotherapy.
J Natl Cancer Inst. 1995 Aug 16;87(16):1262-3.
2.Takahashi Y, Mai M, Taguchi T, Urushizaki I, Nishioka K.
Prolonged stable disease effects survival in patients with solid gastric tumor: analysis of phase II studies of doxifluridine.
Int J Oncol. 2000 Aug;17(2):285-9.
3.Takahashi Y, Mai M, Sawabu N, Nishioka K.
A pilot study of individualized maximum repeatable dose (iMRD), a new dose finding system, of weekly gemcitabine for patients with metastatic pancreas cancer.
Pancreas. 2005 Apr;30(3):206-10.
4.Takahashi Y, Takeuchi T, Sakamoto J, Mai M, Kitajima M, Kubota T, Toge T, Saji S.
[A randomized phase II clinical trial of tailored CPT-11 + TS-1 vs TS-1 in patients with advanced or recurrent gastric carcinoma as the first-line chemotherapy (JFMC31-0301)]
癌と化学療法. 2004 Nov;31(12):1969-72.
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08.11.29 |
第5回がんワクチン療法研究会から−その1
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先週22日(土)、東京・秋葉原にて第5回がんワクチン療法研究会が開催されました。この会は、実地の臨床医の立場から、がんワクチン療法をいかに利用すれば効果的かという観点から検討する研究会です。
(研究会のホームページは → http://www.ascavath.org/ )
今回の会では、「低用量化学療法」の効果とがん免疫療法との併用例の検討が主題に取り上げられました。
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最初に今回の学術集会の会長、銀座並木通りクリニック・三好立先生から、
「銀座並木通りクリニックの治療の紹介と症例提示」
と題する会長講演がありました。
驚いたのは、最末期のがん症例でも、標準的な投与量の1/10〜1/5という低用量の抗がん剤投与から始め、患者個人個人ごとに最適投与量を微調整すると、それまで急上昇していた腫瘍マーカーの上昇カーブがぴたりと水平になってしまうことでした。「がん休眠療法」です。
これほどの低用量については、「何じゃそりゃ、効くわけがないだろ」と医師仲間に批判されたということです。しかし、低用量であれば、一般的な抗がん剤につきものの強い副作用は全くといえるほどありません。大病院から見放され、もはや打つ手なしとされたStage IVのがん患者(いわゆる“がん難民”)でも、すぐに元気を回復します。またこれほどの低用量なら、自由診療ベースでも保険診療による標準治療よりも安上がりとなり得ます。
休眠療法を施行した症例総数89例中、RECIST法評価でCR+PR+SDは46%、1ヶ月以上のSD例を含めて何らかの効果があった症例(ソフトクライテリア評価)が54%となっていました。
もちろん、この方法ではがんが快方に向かうわけではありません。しかし、誰でもQOLが劇的に向上するのは明らかで、元気を回復した患者は毎週外来に通院し、最後まで通常の生活レベルを維持できます。なかには、亡くなる3日前まで毎週自力で平常どおり通院していたという記録があるそうです。講演ではこのような休眠がん症例が多数示されました。
この背景には、がん治療におけるフィロソフィーの大転換があります。
三好先生の治療効果の評価基準はきわめて単純で、治療により「がんに勝つ」か、「負ける」か、「引き分け」か、の3種類です。また、治療目標は標準療法のような勝ち(CR, PR)を目指さず、「引き分けでいいじゃないか」(すなわち、SDで十分だ)というものです。
しかも、ここに「自家がんワクチン」を併用したところ(休眠療法併用9例)中、大型がんの傍大動脈リンパ節メタが9ヶ月間にわたって縮小、明らかなPR症例が1例発生しました。
すなわち、標準療法から見放された末期がんにおいても、あきらめる必要はなく、「低用量抗がん剤+自家がんワクチン療法」の可能性がまだ残されていることを示す画期的な例です。
(この〔症例0621〕と画像は、弊社ホームページに掲載されています → こちらです)
がん休眠療法は現時点ではエビデンスが十分でないとされ、“効かない”などと一蹴されがちですが、この方法の理論的根拠と、大規模臨床試験による「標準的化学療法に劣らない延命効果がある」という確固たるエビデンスを、今回の教育講演で千葉大・高橋豊先生が示されました。
(この内容はドクター通信の次号−その2−で紹介します)
銀座並木通りクリニックでは、癌研にて最先端の抗がん剤開発に長らく従事してきたプロフェッショナルを顧問に迎え、患者一人一人の状態に合わせた抗がん剤の種類と用量選択について、適切な助言を得られる体制を整えています。
このような「個の医療」体制整備も、SDを超える自家がんワクチンの効果を引き出した成績につながっているものと思われます。
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08.11.20 |
第5回がんワクチン療法研究会プログラム
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第5回がんワクチン療法研究会学術集会が、
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今週土曜日(22日)午後、
東京・秋葉原・ビジョンセンター秋葉原
東京都千代田区神田淡路町2-10-6
OAK PLAZA 2F
TEL:03-3526-3944
(JR秋葉原駅より徒歩5分)
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にて開催されます。
この会は、がん治療にすぐに役に立つように、がん免疫療法をどう生かしていくかという観点から検討する実地臨床の立場にたった研究会です。
プログラムは、以下のとおりです。
臨床の現場において即応用可能ながんワクチンを含む集学的治療法が続々誕生しており、先生方の実地診療にお役に立てると思います。ぜひ、ご参加下さい。
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13:55-14:00 開会挨拶 三好 立
会長講演 (座長 大野 忠夫)
14:00-14:40
・銀座並木通りクリニックの治療の紹介と症例提示
三好 立
(銀座並木通りクリニック)
教育講演 (座長 三好 立)
14:40-15:15
・がん休眠療法−免疫療法に相性の良い抗癌剤治療−
高橋 豊
(千葉大学大学院 医学研究院 がん分子免疫治療学教授)
15:15-15:25 第5回がんワクチン療法研究会総会
15:25-15:35 堀 智勝先生 名誉会長就任のご挨拶
15:35-15:50 コーヒーブレイク
一般演題 1 (座長 古倉 聡)
15:50-16:05
・低用量抗癌剤併用下に自家癌ワクチン療法を施行し3年8ヶ月の無再発を得た進行胃癌の一例
倉西文仁、新津宏明、中原雅浩、友野勝幸、橋本昌和、藤國宣明、岩子寛、石ア康代、福田敏勝、則行敏生、新津宏明、黒田義則
(厚生連尾道総合病院外科)
16:05-16:20
・自家腫瘍ワクチンとテモゾロマイドの併用療法で著明な縮小を認めた膠芽腫の1例
石川栄一1)、室井 愛1)、高野晋吾1)、松村 明1)、坪井康次2)、榎本貴夫3)
(1 筑波大学人間総合科学研究科 脳神経外科、2 筑波大学陽子線医学利用研究センター、3 筑波セントラル病院)
16:20-16:35
・「切除・電子線照射・自家癌ワクチンの併用」が奏効した再発下腿MFH (malignant fibrous histiocytoma) の一例
轟 健1)、近藤 匡2)、齋藤 保1)、菅原信二3)、森下由紀男4)
(1 つくばセントラル病院外科、2 筑波大学消化器外科、3 筑波大学放射線治療、4 筑波大学臨床病理)
16:35-16:50
・神経膠芽腫に対する自家腫瘍ワクチン療法の最近の治療経験(仮題)
丸山 隆志(東京女子医大脳外科、銀座並木通りクリニック)
一般演題 2 (座長 石川 栄一)
16:50-17:10
・自家がんワクチンによる肝癌の再発予防あるいは進展阻止効果についての検討
古倉 聡1)、松本次弘1)、舟木 準1)、岡山哲也1)、
足立聡子1)、石川 剛1)、内藤裕二1)、中根一樹2)、武田隆久2)、吉川敏一1)
(1 京都府立医大, 2 たけだ免疫・遺伝子クリニック)
17:10-17:30
・樹状細胞調整法の工夫と肝癌免疫療法の開発
中本安成、水腰英四郎、金子周一
(金沢大学消化器内科)
17:30-17:50
・イヌおよびネコの自然発症腫瘍に対する自家がんワクチンの評価
岡本芳晴、飯田貴陽、柄 武志、今川智敬、南 三郎
(鳥取大学農学部獣医学科)
17:50-18:00 閉会挨拶 坪井 康次
18:00-20:00 懇親会
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08.11.17 |
日本バイオセラピィ学会で進行胃癌症例の発表があります
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第21回日本バイオセラピィ学会は、明日18日(火)から19日(水)までの2日間、東京・水道橋の東京ドームホテルで開催されます。
ここで、進行胃癌に自家がんワクチンを適用し、長期SDを得られた以下の症例報告が行われます。
11月19日(第2日)16:15〜17:00
ワークショップ「がんワクチン療法」
W8-4 低用量抗がん剤併用下自家がんワクチン療法を施行した進行胃癌の一例
厚生連尾道総合病院、セルメディシン株式会社(2)
新津宏明、倉西文仁、大野忠夫(2)、則行敏生、中原雅浩、福田利勝、石崎康代、岩子寛、藤国宣明、黒田義則
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08.11.11 |
脳腫瘍の治療効果判定法への提言
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今週到着したNature Clinical Practice Oncologyに脳腫瘍の治療効果判定法について、新規提言が総説形式で掲載されています。
→ Sorensen AG, et al, Response criteria for glioma, Nat Clin Practice Oncol 5:634-644, 2008 (doi:10.1038/ncponc1204)
固形がん治療の一般的効果判定法には、がん画像のクロスセクション計測(最長径と直交する径の積)によるWHO方式から、1方向計測(最長径を採用、各標的病変の最長径の和の変化で評価)によるRECIST法が普及してきており、学会の発表をみても、ほとんどがRECIST法によって定量的な評価がされています。
→ http://www.jcog.jp/doctor/tool/C_150_0010.pdf
しかし、脳腫瘍では、初回術後の大きな空洞状態が簡単には埋まらず、空洞周囲にそって再発してきた脳腫瘍組織に治療後の変化が起こっても、見かけ上の最長径はほとんど変化を示さないことが多々あります。
この最長径から空洞部分の長径を引き算して、実質的な再発脳腫瘍部分を表す長さを算出し、RECIST法を適用する方法もありますが、再発腫瘍組織の治療によって、不均一な減少を示す場合は長径だけでは比例的に表せない場合があり、RECIST法では適切な判定がなされないという問題がありました。
これに対し今回の総説では、MRI画像から腫瘍ボリュームを算出し評価に用いることを推奨しています。また他のマーカーも併用することによって、評価精度を上げられるとしています。
ちなみに、自家がんワクチンの効果を評価した共同臨床研究論文では、すでに独自に腫瘍ボリューム測定法を採用しており、論文に先んずるASCO2007における発表も好評でした。
→ Ishikawa E, Tsuboi K, Yamamoto T, Muroi A, Enomoto T, Takano S, Matsumura A, Ohno T, A clinical trial of autologous formalin-fixed tumor vaccine for glioblastoma multiforme patients. Cancer Sci., 98(8):1226-1233, 2007.
→(ASCO2007で発表の「自家がんワクチンの効果」)
ドクター通信 from セルメディシン No. 93 →→ 弊社にお問い合わせください。
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08.11.04 |
日本癌学会・癌治療学会の話題から
1.「自家がんワクチン」の肝癌再発予防効果の発表がありました
2.低線量放射線治療の併用について |
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先週10月28日-11月1日に連続して日本癌学会・日本癌治療学会が名古屋国際会議場で開催されました。そこでの話題を2つお届けします。
1.「自家がんワクチン」の肝癌再発予防効果の発表がありました
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W18-9 自家がんワクチン療法による肝癌の再発予防および進展阻止
の試み
古倉 聡1、岡山 哲也1、舟木 準1、松本 次弘1、石川 剛1、半田
修1、高木 智久1、内藤 裕二1、吉田 憲正1、吉川 敏一1、中根
一樹2、武田 隆久2
京都府立医科大学 消化器内科1、たけだ免疫遺伝子クリニック2
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の発表が行われ、好評でした。「肝癌切除後、再発予防目的で施行した4例中2例は、治療後3年以上再発を認めていない。再発を認めた2例は、その病変の局所治療後はそれぞれ27カ月、12カ月再再発を認めていない」とのことです。
この結果は、自家がんワクチンによる術後肝がんの再発予防効果をランダマイズドスタディで示した既発表論文、
(Kuang, M., et al.: Phase II Randomized Trial of Autologous Formalin-Fixed Tumor Vaccine for Postsurgical Recurrence of Hepatocellular Carcinoma. Clin. Cancer Res. 10: 1574-1579, 2004.)
の内容にほぼ合致します。
2.低線量放射線治療の併用について
がん免疫療法関係のセッションでは、主に抗体療法とペプチドワクチンが取り上げられていましたが、10月31日に開催されたイブニングセミナーでは、阪大・杉山治夫先生のWT-1ペプチドワクチンの効果と、セレンクリニックの岡本正人先生の樹状細胞療法の成績が発表されました。
特に後者の発表は、単一の免疫療法ではなく、「定位放射線治療+樹状細胞ワクチン腫瘍内局所注射+OK432腫瘍内局所注射」という集学的治療法であるため、樹状細胞ワクチンの効果が判別しがたい状態でしたが、放射線治療の併用により高い局所制御率を示しておりました。
注目されたのは、定位放射線治療で採用した低線量です。すでに60Gyという最大線量を照射されていた症例であっても、再発部位・転移部位にさらに20Gy〜30Gy程度の追加照射を行ってから免疫療法を施行していました。演者はこれで腫瘍局所におけるがん細胞のapoptosisを誘導でき、それが樹状細胞に取り込まれ抗原提示に至るとしています。
遠隔転移巣については制御できない症例も多く、全体としては満足すべき成績とはいえませんが、実地診療では一人一人の患者様に対応するベストの治療法の組み合わせを選ぶべきであり、集学的治療法は避けがたいところです。
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弊社の「自家がんワクチン」療法でも、もし放射線治療が併用可能な状態ならば、局所制御率をできるだけ上げるため(すなわち体内の増殖能のあるがん細胞数を極力減少させるため)、症例によっては低線量照射しかできない状態であっても、積極的に併用すべきだと思われます。
少なくともin vitro実験では、どのようながん細胞株でも4-6GyのX線照射で、コロニー形成能は90%以上失われます(古典的な放射線生物学で示されています)。最悪性の膠芽腫細胞でさえ8Gyも照射すれば、コロニー形成能はほとんど0%になるといわれています。すなわち、大部分のがん細胞が増殖死という状態になり、時間が経つとともにapoptosisまたはnecrosisを起こして細胞死に至ります。
一方、in vivoでは、放射線感受性が高い腸管でも1回2Gyの分割照射で40Gyまでであればなんとか許容範囲とのことです。20-30Gyの照射線量なら、腹部を含めかなり広範囲のがんに照射可能と思われます。しかも20Gyでもかなり高い率で局所制御が可能です。転移性脳腫瘍の場合にガンマナイフでは定位照射約20Gy(を1回で照射する点が異なりますが)で十分高い局所制御率が得られます。
もちろん、20-30Gyの低線量分割照射では完全な局所制御は期待できませんが、ここに「自家がんワクチン」療法を加えることによって大部分のapoptosis/necrosisを起こしたがん細胞(いわば、がん抗原の塊)の体内有効利用を図り、誘導細胞性免疫反応による「局所制御+遠隔転移制御」
の可能性の増大を図る方法が考えられます。
また、もし放射線治療が併用できない場合は、放射線照射に代わる増殖がん細胞数の削減手段を探し、併用していくことが望まれます。
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08.10.27 |
1.日本癌学会・癌治療学会に商業ブース展示
2.ASCO2009-演題募集開始:抄録〆切は1月6日 |
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1.日本癌学会・癌治療学会にブース展示
弊社では、今週28日-11月1日に連続して名古屋国際会議場で開催されます、日本癌学会・日本癌治療学会に商業ブース展示を行います。
ブースの場所は、 国際会議場1号館4F です。
第67回日本癌学会 → http://www2.convention.co.jp/jca2008/
第46回日本癌治療学会 → http://www.convention.co.jp/46jsco/
どうかお気軽にお立ち寄り下さい。
2.ASCO2009-演題募集開始:抄録〆切は1月6日
米国臨床腫瘍学会2009年大会(ASCO2009、Orlando, Florida、5月29日-6月2日)の抄録募集案内が来ております。2008年(シカゴ)のASCOの参加者数は34000人以上だったそうですので、がん分野では世界最大です。
「自家がんワクチン」関連のご発表であれば、弊社代表取締役がASCO会員であるため、非会員の方の抄録投稿のための会員スポンサーになることができます。
抄録投稿〆切は、2009年1月6日です。
詳細はこちらをご覧下さい → http://www.asco.org/annualmeeting
ASCO2009にてご発表をご希望の先生方は、弊社までご一報願います。
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08.10.23 |
骨転移患者に対するビスフォスフォネート治療と顎骨壊死のリスク |
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08.10.01 |
最新のがん免疫セミナーから |
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「次世代がん免疫療法における臨床効果と今後の展開」と題するセミナーが9月25日に東大・武田ホールで開催されました。このセミナーは、学会で聞いている先端の話題をまとめて再考するには良い機会でした。
全体の概括とイントロダクションで、三重大・珠玖洋先生により、ヒトがん組織中のkiller T細胞(Teff)/regulatory T細胞(Treg)の比が、臨床での生存率と相関があるとの紹介があり(→ Proc Natl Acad Sci U S A. 2005 Dec 20;102(51):18538-43. Epub 2005 Dec 12)、がん免疫療法においては、Tregの抑制が重要だとの指摘がありました。
以下は、「基調講演1.制御性T細胞を標的とした癌免疫の可能性について」(京大・坂口志文先生)を聞いた筆者の要約です。間違いがあればご容赦願いますが、すべてマウス実験の成果です。
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がん組織中には末梢血中の存在比よりも多くのTregが入ってきている。Teffが7.6%のとき、Tregは31.5%もあった。Tregは、がん組織中に集まっているのがメジャーポピュレーションである。がんは軽い炎症状態であり、炎症組織に発生するnon-specificなchemokineなどに応答するTregはがんに集まりやすい性質がある。
(筆者注:ヒトTregはケモカインレセプターのCCR4を強く発現、抗CCR4抗体で殺せます)。
Tregは常時CTLA-4分子を発現。抗CTLA-4抗体全身投与では自己免疫疾患を引き起こすが、これをがん組織中に直接注入すると、がん退縮は起こしても自己免疫疾患は起きない。CTLA-4ノックアウトマウスからCTLA-4欠損Tregを単離すると、その細胞はin vitroでも免疫応答を抑制できない。従って、CTLA-4分子の発現は自己免疫寛容に必須なのではないか。
抗CTLA-4抗体(blocking作用のある抗体でtumor形成初期に効く)だけではなく抗GITR抗体(agonistic作用のある抗体でTreg特異的、この抗体はtumorが一旦大きくなったときによく効く)をプラスすると強いtumor
regressionを惹起し、しかも自己免疫疾患は起きない。抗FR4抗体ではdepleting/blocking抗体で、Treg特異的)、一層強いtumor regressionを誘導できる。
(筆者注:TregとTeffは局所のリンパ球に必須なサイトカインIL-2を奪い合うが、Tregの持つIL-2Rの方がTeffのIL-2Rよりも強いため、TregによるTeffの活性抑制が起こることが判っています。しかしこのメカニズムだけではないようです。CTLA-4、GITR、FR4等の分子がどのような作用をしているのか、興味のあるところです。)
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08.09.24 |
BioJapan2008に出展します |
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日本におけるバイオ産業関係の最大の展示会に発展してきた 「BioJapan2008」 は、今年は10月15,16,17日の3日間、横浜の大型展示会場「パシフィコ横浜」で開催されます。
多数のシンポジウムやノーベル賞受賞者の講演会も予定されていますが、最も重視されているのは実用性のある先端技術を持ち寄り、世界を相手に技術取引をしようという商業展示会です。
そのため、欧米をはじめ世界各国のバイオクラスターや本邦のバイオクラスター、大学、研究所群も大量に出展します。学会発表とは異なり、実用性のある先端バイオ技術群が今どのような状況にあるかをまとめて知るには非常に良い機会と思います。
弊社では、この中の「首都圏バイオネットワーク」の一角 (Booth no. B-281) に展示を行いますのでぜひお立ち寄り下さい。展示会の無料チケットは弊社に余分にありますので、必要な方はご遠慮なく当社までメールにてご連絡願います。
E-mail: ⇒ 
BioJapan2008の詳細情報はこちらにあります。
→ http://expo.nikkeibp.co.jp/biojapan/
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149 |
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08.09.11 |
ネオアジュバント療法前後の乳がん細胞の変化 |
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ネオアジュバント療法が多用される手術対象の乳がんで、療法前後でがん細胞の性質がはっきりと変化することがあるというニュースが、今月4日にASCOを通じて流されています。もとのデータはワシントンDCで開催された2008 Breast Cancer Symposiumで発表されたものです。
↓
http://www.asco.org/ASCO/News/Cancer+News?&reuterview=detail_view&reutersid=11348
HER2陽性乳がん(143例)を術前に「trastusumab (Herceptin)+抗がん剤」で治療しますと約半数でCRとなり術後病理診断ではがん細胞が見つかりませんが、CRとならなかった23例中7例(30.4%)では、
HER2-negativeに変化していたそうです。
上記のようなネオアジュバント療法抵抗性の乳がんの場合でも、術後にがん細胞が組織中に残っていれば、HER2-negativeであっても他のがん抗原は含まれていると推定できます。この利用をぜひお考えいただければ幸いです。
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148 |
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08.08.26 |
「がんワクチン療法研究会」の演題申し込み締め切り
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第5回がんワクチン療法研究会学術集会が、今年も東京にて開催されます。現在、演題募集中ですが、まもなく〆切となります。
がんワクチン療法研究会(Association of Cancer Vaccine Therapy (略称:AsCaVaTh))は、平成16年11月20日に設立されました。会則に“がん免疫療法の一つである「がんワクチン」の臨床応用法の開発によ
って、がんを征圧することを目的とする。”とありますように、「がんワクチン」の臨床応用法の開発が主体となっている小型の研究会です。
研究会の事務局は筑波大学陽子線医学利用研究センターにあります。
大規模な学会できれいに整った内容を発表する場合とは異なり、がん症例の1例1例を大事に検討し、「がんワクチン」を含めた、臨床現場で実際に役立つがん治療法の開発を目指しています。
「がんワクチン」に関係する発表内容をお持ちの方は、どうか遠慮なくご応募願います。1例報告も歓迎しています。
応募要領や、抄録の投稿は、こちらからどうぞ。もちろん入会も受け付けています。
→ http://www.ascavath.org/
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147 |
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08.08.12 |
がんワクチンとドセタキセルの併用効果論文 |
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今年のASCO2008でも各種がんワクチンと抗がん剤の併用効果が話題になっていましたが(例えば、ドクター通信 from セルメディシン No.
139の中の#3035→ Ref. 1)、タキサン系抗がん剤は、骨髄抑制を起こすほどの高用量では問題がありますが、意外にも、結果的に免疫反応を刺激する効果があるようです。
この観点を支持するマウス実験の論文が米国Nat. Cancer Inst.から出ています(Ref. 2)。Garnettらが発表している結論6個のうちの3個は、
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(d) docetaxel given after vaccination provides optimal enhancement of immune response to recombinant viral vaccines;
(e) docetaxel combined with recombinant viral vaccine is superior to either agent alone at reducing tumor burden; and
(f)docetaxel plus vaccine increases antigen-specific T-cell responses to antigen in the vaccine, as well as to cascade antigens derived from the tumor.
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というものです。彼らのワクチンはTRICOMというウイルスベースの複雑なものですが、他のワクチンであっても、ドセタキセルの併用効果は類似したものとなるのではないかと考えられます。
ちなみに、自家がんワクチン治療乳がん症例のうち、ホームページ http://www.aftvac.com/Mammary-efficacy.htm
にある〔症例0141〕では、40mg/body・週1回3週継続1週休薬という低用量のtaxotereが併用されており、骨シンチで検出される転移巣が激減しています(Ref. 3)。
REFERENCES
1.ASCO2008 abst.#3035 PANVAC vaccine alone or with docetaxel for patients with metastatic breast cancer. M. Mohebtash et al. NCI
2.Charlie T. Garnett, Jeffrey Schlom, andJames W. Hodge: Combination of Docetaxel and RecombinantVaccine Enhances T-Cell Responses and AntitumorActivity: Effects of Docetaxel on Immune Enhancement. Clin Cancer Res 2008;14(11) June 1, 2008.
3.小林豊樹ら、Docetaxel投与後の免疫能に関する検討、日本癌治療学会、口演(333-337) O_63、1999.
(→ http://square.umin.ac.jp/jsco37/abstract/E11224.htm )
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146 |
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08.08.04 |
PET診断で白血病薬の効果が1日でわかる |
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145 |
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08.07.28 |
医療モバイルサービスに規制緩和 |
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この7月10日より、CT車、MRI車、PET車等の病院向け医療モバイルサービスに関して規制緩和が行われました。
このニュースは「ドクターネット メールマガジンサービス」
<http://www.doctor-net.co.jp/>を通じてもたらされたものです。
周知のようにCT, MRI, PET等はうっかり導入すると病院経営を傾けるといわれるほどの非常に高額な診断機器です。欧米では車載化されたものがかなり普及していますが、本邦では、病院施設構造の変更届けの手続きが煩雑で、ほとんどが院内設置の据え置き型になっています。
今回の規制緩和によって、中小規模の病院でも高額医療装置を医療モバイルとして共同利用することにより、設備投資を行わずに高度医療が行う事が可能となりました。
患者様にとっては、より生活の場に近い医療機関で、大病院の混雑を避けて受診できるという福音となります。がん治療の現場にもやがて大きな影響となって現れることと思われます。
詳細は、→ http://www.freeill.co.jp/pdf/press_080711.pdf
に出ています。
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No. |
144 |
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08.07.23 |
J Clin Oncolのインパクトファクター |
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米国臨床腫瘍学会(ASCO)の学会誌Journal of Clinical Oncology
(JCO)の2007年のインパクトファクター(IF)が15.484に増加したとニュースが出ています(Ref. 1)。その前のIFは13.598でしたから、かなりの増加と言えます。Oncology分野の学術誌では世界5位だそうです。
ご存知のように、学術雑誌のIFは、その学術誌に掲載された論文が平均して何回他者の論文に引用されているかを表すだけのもので、論文自体の重要性をストレートに表すとは限りませんが、その学術誌の影響力を著す良い指標とされています。
米国はもちろん、本邦でも最近は論文自体の内容よりもこのIF値によって評価が決まる傾向が強く(内容が専門的すぎて真の価値が理解できなくても数値で簡単に比較できるためでしょう)、次の段階の研究費の獲得、および研究者の昇進が決まるといって過言ではない状態になっています。
また、米国では、新規抗がん剤の論文がJCOやLANCETに掲載されれば、FDAにおける治験審査の扱いが優遇される等の措置があり、IFがJCO以上の学術誌に臨床の論文を掲載するのが一つの目標になっているほどです。
それに引き換え、本邦のがん関係の学術誌のIFが低すぎるのが気になります。本邦最高のCancer Science誌でも3.869(2006年)です。残念ながら一国の文化力がここにも反映していると思われます。
REFERNCE
1. ASCO E-News, 2008.7.22, JCO Impact Factor Increases to 15.484 from 13.598. |
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No. |
143 |
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08.07.16 |
腫瘍血管新生阻害による臨床効果を表すバイオマーカーがない |
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最近、分子標的薬で腫瘍血管新生阻害作用を示すものが相次いでFDAで承認されています。それらは、
Bevacizumab (Avastin, target=VEGF)
Sorafenib (Nexavar, target=VEGFRs, PDGFRa/b, c-KIT, FLT-3, Raf)
Sunitinib (Sutent, target=VEGFRs, PDGFRb, c-KIT, FLT-3, c-RET)
Temsirolimus (Torisel, mTOR)
の4種で、この他にも多数の候補物質が検討されています。
これらは、たしかにprogression-free survival, overall survival,
overall response rateをend pointにしたPhase III臨床試験で有効性が
証明されています。
しかし、不思議なことに、これらの医薬品によって確かに腫瘍血管の機能が阻害されたことによる臨床効果であることを示す明瞭なバイオマーカーが示されていないのです。
Antiangiogenic therapyと称しているものの本当にそうなのか、「血管新生阻害作用」とは、新薬発見のための単なる道具なのか、それとも新薬の単なるお飾り題目なのか、という皮肉たっぷりの表題がついた総説論文がNature Clin Practice Oncologyの今月号に出ています。
REFERENCE
1. Sessa C, Guibal A, DelConte G, Ruegg C: Biomarkers of angiogenesis for the development of antiangiogenc therapies in oncology: tools or decorations? Nature Clin Practice Oncol. 5, 378-391, 2008. |
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142 |
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08.07.09 |
基盤的癌免疫研究会の話題から--その2 |
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7月2-3日に大宮ソニックシティで、表記の研究会が開催されました。前号No. 141に続いてお送りします。
以下は、筆者の印象に残った演題です。
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「ワークショップ:癌ワクチン療法の標準化を目指して」から
●NY-ESO-1癌ワクチン療法第一相臨床試験におけるモニタリング結果と臨床反応
(阪大・和田尚ら)
CHP-NY-ESO-1ワクチンで、7/8例に抗体価上昇、NY-ESO-1反応性CD4、CD8の増加を認めている。これでモニタリング成功かというとそうではない。ワクチン終了後に組織摘出ができた4例中、「早期に腫瘍増殖、その後縮小」した食道癌1例でも、壊死と増殖を示す組織が混在しており、結果的に再発。この1例以外には腫瘍縮小という明らかな臨床効果を示した例はない。SD例が多いが、それをどうモニタリングで見分けるかが難しい。
フロアから、「CD45RO+をTIL中で測定すべきだ。OSとの相関があるという論文が出ている」とのコメントがあったが、TILが取れるほどの癌組織量となると、手術が必要であり、ほとんどの症例では無理ではないか。血液モニタリングで済ます方法が開発されないと使いやすいモニタリング方法にならないようだ。
●MVAC耐性進行・再発膀胱癌に対するテーラーメイド癌ペプチドワクチン療法の経験
(北里大・松本和将ら)
MVACと放射線治療では、膀胱癌が消えることは稀。これで増殖してきた耐性症例に、MVAC+ペプチドワクチン療法(1クールは12回/12週)を行ったもの。4例中CR1、PR1が出ている。一旦悪化し、その後縮小に転じている。少数例の研究だが「ワクチン+抗癌剤」で併用効果があることを示している。
●消化器癌に対するWT1ペプチドワクチン療法の現状と将来に向けての方向性
(阪大・西田純幸ら)
標準療法耐性の大腸がんを対象に、週1回、12回を1クールとしているワクチン療法。SDが5/15例で出ている。CR, PRはない。なおDTH反応を見ており、陽転例では有意にSDになっている。
DTH(+)例 DTH(-)例
SD 6 0
PD 1 8
χ^2検定でp=0.0007
膵臓がんでは、WT1ワクチン+Gemcitabine併用で1/4例で効果が出ていた。これは今後、自家がんワクチンでも検討する価値がある。
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一般演題から
●放射線照射で誘導される癌特異的CTLを用いた新規免疫治療法の開発
(北海道大学)武島嗣英、西村孝司ほか
放射線治療(RT)による腫瘍特異的CTLの誘導についてマウスで検討。RTにより、腫瘍特異的CTLの誘導がみられたが、リンパ球中のCD8を除去したり、所属リンパ節を除去すると腫瘍増殖の抑制が落ちることから、CD8分画と所属リンパ節が重要であると考えられる。ただし、TregはRTに耐性で照射後の回復も早いとの考察もあった。
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No. |
141 |
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08.07.07 |
基盤的癌免疫研究会の話題から--その1 |
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7月2-3日に大宮ソニックシティで、表記の研究会が開催されました。この会は、とかくウサンクサイとのイメージが先行していた腫瘍免疫反応を分子機構から解明し、科学的な基盤に立ったがん免疫療法の開発を行うべく、1996年に設立された研究会です。この会での議論は非常に活発で、いまだかつて討論時間が守られたことがないという特徴があります。来年度からは、日本癌免疫学会に衣替えする予定です。
今年の会では目玉として、「シンポジウム:ここまで進んだ抗体のトランスレーショナルリサーチ、臨床応用」、「ワークショップ:癌ワクチン療法の標準化を目指して」が開催されました。そのうち、以下は、シンポジウムから印象に残った話題です。
●ヒト化CD26抗体を用いた悪性中皮腫及び同種・骨髄移植後のGVHDに対するTR研究
(東大医科研・森本幾夫)
CD26がT細胞上に発現しており、β1インテグリンとコラーゲン受容体であることによる治療用抗体を開発中。この抗体が骨髄移植で起こるGVHDを抑制できることを重度免疫不全のNOGマウスで示しているが、今回の発表のキーポイントは、CD26が付着性のヒト悪性中皮腫細胞に発現していて、反応性炎症細胞には発現していないことを発見したことにある。中皮腫治療とT細胞毒性が両立するのか、あやうさを感じないでもなく、今後の臨床効果に注目したい。
●抗CCR4抗体 “ベンチからベッドサイドへ”
(名古屋市立大・石田高司、上田龍三)
上田研では長年にわたって成人T細胞性白血病ATLLの研究を行ってきたが、ATLL細胞の表面にCCR4の特異的発現を発見した。しかもCCR4は制御性T細胞Tregに特異的に発現していることから、ATLLはTregが癌化したものだと判明している。
抗CCR4抗体を脱フコース化した抗体は治験phase Iで強烈な効果を示し、0.1mg/kgという少量の1回注射で、ATLL患者末梢血から一夜にしてATLLをほとんど除去、繰り返し注射で容易に完全寛解に導入していた。脱フコース化抗体の威力は大きく、今後、急激に脱フコース化抗体が普及すると考えられる。
●ヒト化抗IL-6レセプター抗体の癌治療への応用
(阪大・吉崎和幸)
阪大・岸本忠三先生発見のIL-6がミエローマの増殖因子であることから、レセプターを塞ぐ抗体・抗IL-6R抗体を開発したもの。多発性骨髄腫に適用したが、一過性の効果にとどまり成功はしていない。しかし、IL-6が炎症性因子の一つで発熱、倦怠、食欲不振を誘導するため、キャッスルマン病(IL-6異常産生を起こす極めて稀なリンパ増殖性の疾患で、症状としてダルさが顕著)に適用し、解熱・倦怠感改善に成功した。関節リウマチにも適用を拡大している。
癌終末期の悪液質状態では、IL-6レベルの上昇が見られるが、この抗体でヌードマウスの悪液質(体重減少で簡単に計れる)の改善が可能なことを見出した。
この抗体はトシリズマブ(商品名アクテムラ)として2005年4月11日に承認、中外製薬から販売されている。適用外だが、悪液質に陥ったがん患者にこの抗体を使用すれば、一過性にせよQOLの改善(倦怠、食欲不振)が見込めると推定していた。
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No. |
140 |
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08.06.25 |
オンラインセカンドオピニオン--米国の現状 |
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米国の大型新聞USA TODAY紙のホームページに、“Online services let patients seek a second opinion from home”という記事が掲載さ れています。
→ http://www.usatoday.com/news/health/2008-06-22-online-second-opinions_N.htm?loc=interstitialskip
がん患者が自分の診療データを自宅から遠隔地の医師に送りセカンドオピニオンを求めることができる有料サービスが米国では急速に広がっ ているとのことです(例えば、Partners Online Specialty Consultations (POSC)など)。
費用は1回$500 から $1,500ですが、3大サービス業者は、the Cleveland Clinic, Johns Hopkins Medicine and POSCで、年間各々約1,000 件を扱うとのことです。
しかも、“およそ5%の症例で診断を変更し、85% から 90% の症例では治療法を変更する”、とe-Cleveland Clinicのマネージングディレク ターの話として掲載されています。
普及のネックになっているのは、米国のほとんどの保険会社がこのようなリモートセカンドオピニオンを保険対象にしていない点ですが、この事情にも大手保険会社が対応すると宣言していますのでまもなく変化しそうです。
振り返って本邦ではどうかといいますと、カルテ情報は個人情報の塊ですので、セキュリティの点でどう扱うかが問題かと思います。また、本邦では電子カルテの形式がバラバラなのと普及不十分である点が気になります。
しかし、それ以上に、病院間において、セカンドオピニオンやカルテ情報を積極的に相互利用しようという環境の醸成がなかなか困難な課題ではないかと思われます |
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No. |
139 |
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08.06.20 |
米国臨床腫瘍学会(ASCO2008)から-3 |
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前回のドクター通信:(ASCO2008)から-1、-2に引き続きお送りします。今回は、一般演題から見つけ出した、がんワクチンと抗がん剤との併用研究の特集です。
自家がんワクチンも含め、従来は、免疫刺激剤と化学療法剤との併用は禁忌と一般的に考えられてきました。免疫担当細胞の増殖を化学療法剤が阻害するからです。しかし、臨床研究でも、動物実験でも、併用した方が成績が良いという報告が出始めております。
まだ、大規模臨床試験ではなく、断言はできかねますが、がんワクチンによって体内誘導される免疫反応においても、化学療法剤を注意深く使えば、併用した方がかえって有利になる場合がありそうです。
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#3035 PANVAC vaccine alone or with docetaxel for patients with metastatic breast cancer. M. Mohebtash et al. NCI
PANVACワクチン;癌抗原のMUC1とCEA、アジュバント作用のあるB7.1、ICAM-1、LFA-3を組み込んだリコンビナントpox-virusワクチン。転移乳癌で本ワクチン単独およびワクチン+タキソテール併用の効果を比較。
タキソテールの用量は、
35mg/m^2 weekly×3(通常の用量は60mg/m^2/3-4 weeks)。
臨床効果;
ワクチン単独群 3/16=23%
(脊椎転移巣の縮小+痛み軽減、肝転移巣、RECIST基準でPR)。
ワクチン+タキソテール群 5/6=83%
(RECIST基準でPR、胸壁転移巣径50%縮小、
骨転移巣の12ヶ月間改善、19ヶ月間DFS)。
結論;ワクチン単独、ワクチン+タキソテールのどちらでも効果が認められ、特に併用では良い結果でした(しかし、症例数が少なく、検証のための追加症例が必要)。
#3049 LPS activated DC vaccine in combination with immunomodulatory dose of cyclophosphamide in patients with stage 4 melanoma: Preliminary report from the phase 1/2a clinical trial. A.K.Palucka et al. Baylor Inst. for Immu. Res., Dallas.
Autologous DCワクチン;死滅allogeneicメラノーマ細胞をLPS存在下にて患者DCに接触。
患者;Stage4のメラノーマ、300mg/m^2のサイクロフォスファミド(通常は500mg/m2を3週毎)とDCワクチンを投与。
結果:これまで3例登録、安全性上の問題は見られていない。1名でRECIST基準でPR。
#3060 Effect of vaccination on immune and clinical response in glioblastoma multiform patients. C.J.Wheeler et al. Cedars-Sinai Medical Center, LA
ワクチン;900mgの自己腫瘍lysateを10-40×10^6 cellsの自己DCに添加。
患者;GBM患者34名、術後15週からDCワクチンを3回(2週間隔)、6週後に1回。
結果;IFN-γ産生がワクチン前より1.5倍以上に増加した症例をresponder
(18名)、それ以下をnon-responder(16名)に分け、生存を比較。Median
Survivalはres群642日、non-res群430d(p=0.041)。
この内23名はワクチン後の再発に化療(テモゾロマイド)追加。
ワクチン治療後TTP(テモゾロ開始まで)=195±24日
テモゾロ開始後TTS=383±64日
(術後15週=105日後からワクチン開始、ワクチン期間平均195日、その後の化療期間383日を通算すれば683日;約1.9年となる。)
有効症例として、術後187日にワクチン治療増悪、その後化療で術後745日(化療後558日後)にCR。
また、ワクチン前化療とワクチン後化療とのTTP比較では、後者が優れていました。これはワクチンによりがん細胞の化療感受性が高まったのではないかと推察されます。
#3064 Treg depletion by low-dose temozolomide.
A.F. Carpentier et al. Hopital Avicenne, Paris, Fr.
実験モデル;グリオーマ細胞(RG2)を皮下移植したラットにテモゾロマイド30mg/kg/day (=90mg/m^2/day)で5日間、10mg/kg/dayで21日間経口投与、2mg/kg/d(=6mg/m^2/d)および0.5mg/kg/d(=105mg/m2/d)で21日間(参考:ヒトでは75mg/m^2/dを42日間)。
結果;
テモゾロ非投与時の脾臓中Treg%
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担癌 18.9±4.6、 非担癌 14.2±4.0
テモゾロ投与時のTreg %
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用量 Treg% p
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Control 18.9±4.6
0.5mg/kg 12.7±1.7 <0.01
2mg/kg 14.4±3.2 <0.05
10mg/kg 18.5±4.7 0.77
30mg/kg 16.5±3.0 0.43
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テモゾロマイド低用量では、Tregの割合が減少しています。 |
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No. |
138 |
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08.06.13 |
米国臨床腫瘍学会(ASCO2008)から-2 |
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前回のドクター通信:(ASCO2008)から-1に引き続きお送りします。
1.教育講演「免疫治療臨床試験におけるデザインと規制について」から
Educational Session:“Endopoints for immunotherapy studies:
Design and regulatory implications”
Bristol-Myers SquibbのA. Hoosは以下のように述べています。
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免疫治療は化学療法とは異なる生物反応に基づく治療法であることか
ら、ワクチン治療反応を明確に反映する評価基準の確立が必要である。
バイオマーカーとしては多様なT-cell反応性が候補であるが、未だ確
立されたものがなく、今後評価法の向上および汎化が必要である。抗腫
瘍活性評価については、これまでの化学療法とは違った反応パターン(一
旦増殖後縮小、新病変出現後縮小、長時間不変後縮小など)が予想され、
それに沿った免疫学的評価基準(Immune-related Response Criteria;
irRC)の設定が必要である。特に、生存曲線解析については、(化療剤の
ように治療開始直後から治療群と対照群の曲線が分かれるのではなく)
ある期間経過後に生存曲線が分かれ始めると予想されるため、これまで
と違った解析法が必要となる。
ワクチンを開発する場合には、以上の観点を踏まえた新しい開発手法
の開拓が求められる。
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また、National Cancer Instituteの J. Schlom は、
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ワクチン治療と他の治療との差別化が必要であり、その差別化をどの
ように臨床試験に反映させるか、他療法との併用治療をどのように最適
化するかが重要であるとしています。
特に、併用治療については事前の放射線化療は免疫機能に悪影響を及
ぼすという常識がありましたが、放射線化学療法や分子標的薬剤などに
よる治療は、その後のワクチン治療に良い併用効果をもたらすことがあ
ります。
事例として前立腺癌においてPSAワクチン(PSA-TRICOM)後タキソテール
投与は、タキソテール単独より優位に全生存率(OS)が上回ることを報
告しています。
この機作として、化療により癌細胞に変化が生じT細胞感受性が高まる、
癌細胞壊死により特異抗原が放出されブースター効果があらわれる、Treg
などの免疫抑制作用が除かれる、などが考えられているとのことです。
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CBER/FDA のC. Witten は、米国の規制当局の立場から次のように講演していました。
----------------------------------------------------------------
ワクチンにはAntigen/adjuvant vaccine, Whole cell cancer vaccine,
Dendritic cell (DC) vaccine, Viral vector and DNA vaccine, およ
びIdiotype vaccineがあり、これらの癌ワクチン開発はCBER のOffice
of Cellular, Tissue, and Gene Therapyが管掌している。
ワクチン製造に関する留意事項として、製造ロット間の純度同一性や
安定性、製剤中の全成分(細胞、アジュバントなど)の品質保証、最終製
剤の品質および無菌性、活性物質の本体及び活性があげられる。
早期臨床試験では、化療剤でのMTD(最大耐量; Maximum tolerance dose)
的な用量は通常求め難いので、薬理学的有効用量あるいは生物学的最適
用量をそれに代える。
Pivotalな臨床試験においては、化療剤の考えかたとの相違点として、
(根治手術後などの)残存癌が無い(少ない)患者が好対象、blind study
が望ましい、癌巣の縮小を伴わない抗腫瘍活性が見られる、効果発現ま
でに時間がかかることなどがあげられる。
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2.ASCO-ECCO合同シンポジウム:
“How can we overcome difficulties of
clinical vaccine development in oncology”から
H Lee Moffitt Cancer Ceterの J. Weber は、
求められるべき効果は、転移癌に対する有効性、ランダマイズド試験での生存期間延長、腫瘍特異免疫と臨床パラメーターとの相関などだが証明できるかが問題であると述べた上で、
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これまでの臨床試験の結果では、ワクチンと特異免疫と無再発生存と
の間の相関は小さいものの、Stage4のメラノーマではDC誘導免疫とOSに
関連が見られた。
今後の臨床試験においては、癌組織内のTregおよびEffector T/Treg比、
Myeloid suppressor cellの活性などが留意点として考えられる。
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と言っておりました。 |
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08.06.10 |
米国臨床腫瘍学会(ASCO2008)から-1 |
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昨年に引き続き本年のASCOも、先週、シカゴ/マコーミックプレイスで開催されました。同プレイスは昨年までのEast, South, Northのビルに加えて本年はWestビルが新築追加され、ますます広大な会議場となっておりました。本年度の参加者は4万人近くになったものと思われます。
今年の目立った印象は、免疫治療、中でもがんワクチン治療に関する演題が多く見られ、「vaccine」のキーワードで67演題が検索されています。
さらにSpecial Sessionで “How can we overcome difficulties of clinical vaccine development in oncology”、Educational Sessionで “Endopoints for immunotherapy studies: Design and regulatory implications” とワクチン開発上の問題点および効果の評価法に関する特別セッションが2つあり、学会や規制当局も、がんワクチンの基礎検討レベルから臨床応用という動きを無視できなくなってきたものと推察されました。
また、ASCO開催期間中は、前日のハイライトをASCO daily newsとして速報新聞的なものが発行されますが、本年からは英語以外の言語としては初めて日本語版が発行されました。ASCOに参加する日本人が大きな割合を占めてきたことを表しているためと思われます。
今回、がんワクチン開発における独自の評価方法(ワクチン効果は、緩やかに、長期間にわたって現れることから、RECISTのような従来の化療剤の評価法では評価困難)についての提言がありましたので、その内容の要約を次回にお知らせします。 |
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136 |
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08.06.02 |
選択肢が多数あることを患者様に知らせるには |
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先週、あるがん患者様のご家族から弊社への質問メールの中に、
「このままの状態では、余命は最悪の場合3ヶ月とも言われております。」と述べられた後に、
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癌で苦しんでる患者は長年死との恐怖と闘っております。その姿を私
達家族は励ます事しか出来ず、こうして他の治療法を必死で探す術しか
ありません。それぞれの病院ではその病院で持ってる最善の治療をして
下さってる事は十分承知しておりますが、今回、ネットで調べてみると
研究半ばではあると思いますが選択肢は沢山ある事を知りました。
この選択肢を情報として主治医は患者に知らせて下さってもいいので
はないでしょうか…と、思ってしまいました。
全国各地何処に住んでいても公平な医療が受けられる医療会のネット
ワーク作り、患者中心の考え方で再編される事を希望致します。
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と記述されておられました。
上述のような「3ヶ月宣言」だけで患者様を放り出す病院はまだ非常に多いと思います。
この通信をお読みの先生方は、もちろん保険外の診療方法が多数あることをご承知のことと思います。しかし周囲の先生方はどのようにお考えでしょうか。
その情報をお知らせする「適切なタイミング」はなかなか判断の難しいところかとは思いますが、保険外の診療方法とその情報があることを、周囲の先生方にも前向きに活用していただくようにするにはどうすればよいか、お智恵を弊社に賜りますよう、どうかよろしくお願い申し上げます。 |
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No. |
135 |
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08.05.26 |
米国の脳腫瘍治療の現状:ケネディ上院議員の診断をきっかけに |
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5月23日のASCO(アメリカ臨床腫瘍学会)を通じたロイター通信のニュースに、米国の脳腫瘍治療の現状が報道されています。
これはEdward Kennedy上院議員(マサチュセッツ州)が、つい最近脳腫瘍と診断されたことをきっかけに議論されているものです。
米国でも悪性神経膠芽腫(Grade IV)の標準治療法は、「手術+放射線治療(6週間、計60Gy)+temozolomide(商品名テモダール、通常6ヶ月以上)」となっています。これで初回手術後の生存期間は14.5ヶ月(中央値)ですが、temozolomideの効果が失われて増悪してくると、もはや打つ手がないとされています。
まもなくFDAがbevacizumab(商品名アバスチン)を再発脳腫瘍に対して認可する見込みで、これによる更なる延命効果が期待されていますがそれほど大幅ではないとされています。また、手術時に埋め込むGliadel Wafer(Guilford Pharmaceuticals,Inc)もありますが、やはりそれほどの延命効果が期待できるわけではありません。
その点は、ロイター通信で“"There have been some advances in the treatment of this disease. I'm impatient for more. And I really feel that the advances we've had have been small, baby steps," Dr. Otis Brawley, chief medical officer of the American Cancer Society, said in a telephone interview on Wednesday.”
と述べられていることから、容易に考えられると思います。
新しい治療法として期待されているのが、数種の「がんワクチン」です。しかし米国ではまだ実験段階と認識されているため、全く普及はしていません。
米国では脳腫瘍に毎年22,000人が罹患し13,000人が死亡するとされており、このような状況からすると、米国の脳腫瘍患者の現状はたいへん厳しいと思われます。
しかし、わが国では、国の未承認医薬品も使用可能な自由診療制度があるため、弊社の「自家がんワクチン」が既に市場化されております。
「自家がんワクチン」を組み入れた再発例を含む悪性神経膠芽腫12例の治療成績では、初回手術後の生存期間中央値が24ヶ月と長期化しています(Ref. 1)。うち、1例はCRとなり長期生存中です。
詳しくは、こちらをご覧下さい。
→ http://www.aftvac.com/vaccine2-efficacy-brain.htm
REFERNCE
1.Ishikawa, Eiichi; Tsuboi, Koji; Yamamoto, Tetsuya; Muroi, Ai; Enomoto, Takao; Takano, Shingo; Matsumura, Akira; Ohno, Tadao: A clinical trial of autologous formalin-fixed tumor vaccine for glioblastoma multiforme patients. Cancer Sci., 98(8):1226-1233, 2007. |
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134 |
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08.05.22 |
銀座並木通りクリニックでは患者様のために勉強会を開催します |
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先生方にとっては日常の診療が忙しい中、がん患者様とご家族のために、目前の症状や治療法以外の関連治療法等について、詳細な説明の時間を取るのはなかなか難しい場合もあろうかと思います。
銀座並木通りクリニック(院長・三好立先生)では、がん患者様とご家族のために、「最新の脳腫瘍治療法」と「体にやさしい抗がん剤治療法」について、わかりやすく解説する勉強会を開く予定です。
もし、先生方の患者様やそのご家族で、参加ご希望の方がおられましたらご案内いただければ幸いです。
詳しくはこちらです。
→ http://www.aftvac.com/hospitals/AFTV-seminar-GINZA-1.pdf
日時:7月5日(土) 14:00〜
会場:東京・銀座並木通りクリニック
〒104-0061 東京都中央区銀座4-2-2 第1弥生ビル 7F
【東京メトロ銀座駅(丸ノ内線・銀座線・日比谷線)C8出口直結、
JR有楽町駅銀座口より徒歩4分】
(ご注意) 参加申し込み多数の場合は、会場が変更されることがあります。必ずキャンサーフリートピア事務局にご確認下さい。
参加費: 無料(要・予約)
申し込み・問い合わせ: キャンサーフリートピア事務局
TEL: 03-3562-7775
E-mail: cftopia@cftopia.com |
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No. |
133 |
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08.05.08 |
固定した血管内皮細胞ががんワクチンになるならば |
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「輸血・細胞治療学会、東大輸血部の津野助教、細胞ワクチンを用いた抗血管新生療法が再発悪性脳腫瘍に有効と報告」と題され、4月28日のBiotechnology Japanのオンラインニュースに掲載されましたので、ご記憶の方もおられるかと思います。
この材料となった細胞は、ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)をグルタールアルデヒドで固定したもので、腫瘍細胞ではなく正常細胞です(Ref. 1)。正常細胞を抗原にすることで惹起した抗血管新生療法が脳腫瘍に
有効というわけですが、もしそうならば、当社の「自家がんワクチン」には、がん組織内の新生血管もそのまま含まれていますので、それも結果的に抗血管新生効果をもたらしている可能性があると考えることができます。
当社からのドクター通信 from セルメディシンNo. 55 (2006.07.19)では、「がん細胞本体の脇を攻める」との表題で、がん組織中の線維芽細胞に特徴的な分子Fibroblast activation protein (FAP)がワクチンの抗原となることを指摘しました。メラノーマの特異的抗原を負荷した樹状細胞ワクチンと併用すると、それぞれ単独では見られない強い腫瘍拒絶効果を発揮するとの論文が出ています(Ref. 2)。
もちろん証明はまだ出来ていませんが、理論的には、「自家がんワクチンは、がん組織内のがん抗原とともに、がん組織に特徴的な正常細胞由来の抗原まで無駄なく利用しており、両者の抗原があいまって治療効果を発揮している」と想定することが可能です。
一つの考察として、参考にしていただければ幸いです。
REFERENCE
1. Okaji Y, et al., Pilot study of anti-angiogenic vaccine
using fixed whole endothelium in patients with progressive
malignancy after failure of conventional therapy. Euro. J.
Cancer 44: 383-390, 2008.
2. Lee J, et al., Tumor immunotherapy targeting fibroblast activation protein, a product expressed in tumor-associated fibroblasts. Cancer Res. 65:11156-63, 2005. |
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08.05.07 |
米国癌学会2008のトピックスから -その3- |
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今年の4月12-16日に、サンディエゴで開催された米国癌学会(AACR2008)で出ていた話題から、がん免疫療法関係について、-その1- に続けてお届けします。
REFERENCEは、abstract CD-ROMからの引用です。ただし、シンポジウム (#SY番号のシリーズ)ではabstractを提出していないという例が多数あ りました。
(5) ペプチドワクチンではescape cloneの発生は避けられない ?!
正常細胞では、細胞分裂の際、染色体のテロメア部分のDNA配列がだんだん短くなっていくことが細胞老化現象の一つとして知られています。そのDNA配列を伸長する酵素がテロメラーゼで、がん細胞では活性が非常に高いという特徴があります。これに目をつけ、テロメラーゼのERT572y, TERT572を用いた9merペプチドワクチンVx-001を作成、臨床投与した成績が報告されました。
このワクチンは、各種のがん90例(30例は肺癌)のうち、IFNg ELISPOT assayで79%の症例が(+)になるほど抗原性の強いワクチンで、%survival でみるとp=0.048となっていましたが、Kaplan-Meyerカーブの末尾は対照群のカーブと交差していて、最終的な生存率は同率になっていました。
結局、特定のペプチドを抗原とするワクチンでは、いくら抗原性の高いぺプチドを選んでも、がん細胞側のescape cloneの発生は避けられず、患者は死亡に至るというデータと思われます。
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ペプチド合成で安価に作成でき、大量の抗原を提供できるるのがペプチドワクチンの特徴ですが、投与できる抗原ペプチドの種類はどうしても限定されてしまい、カバーできる抗原ペプチドの範囲に“漏れ”が生じます。
一方、当該患者のがん組織自体を抗原原料としているため、抗原提示細胞内でその患者特有の「未知のがん抗原ペプチド」をも作らせることができるのが、「自家がんワクチン」の特徴です。ペプチドワクチンと組み合わせて、体内に提供するがん抗原ペプチドの種類に、できる限り“漏れ”がないようにするのも今後の課題の一つと思われます。
REFERENCE
1. #2541 Immune responses in cancer patients after vaccination with the therapeutic telomerase-specific vaccine Vx-001. E.K Vetsika1, et al., University of Crete, Heraklion, Greece
(6) AACR内にCancer Immunology Working Groupが発足
今回のAACRでは、4月14日の夜に、2007年にAACR内に立ち上げたCancer Immunology Working GroupのTown Meetingがありました。
発足の趣旨は、AACR内でCancer Immunologyの研究をもっと強化しようと
いうものです。その活動第1弾はすでに行われいて、NCI Immunotherapy Workshop
という形で結実しています。
→ http://web.ncifcrf.gov/research/brb/workshops.asp
その内容は、
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ワクチン開発は多種多様すぎて相互比較ができない。これに使われている
アジュバントはバラエティに富んでいるがその開発については、
FDA: not effective as monotherapy
Industry: invisible hand of the market
ということで誰もやらない。「Why aren’t adjuvants available?」とい
う疑問から、NCIのWeb siteで募集したら124種もアジュバント候補物質が
挙げられ、どれが優れているかわからない。そこでJuly 12, 2007に
Workshopをやって、商業化しているものを除いて参加者で投票しranked list
を作った。このリストの上から順に使い、どのアジュバントがいいか、各
自データを出し、学会で比較討論して、使いやすい優れたアジュバントを
決めて製品化を促進しようじゃないか
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というものです。
しかし、既存の有力なアジュバント:Monophophoryl lipid A、
抗CTLA-4抗体、GM-CSF、INFg等は商品化されている(か、されつつある)
ため、このリストからは除外されています。
REFERENCE
1. 4/14 Minisymposia: Clinical Research 9. Report of the NCI Immunotherapy Agent Workshop to develop a ranked list of agents with high potential for use in treating cancer. Martin A. Cheever (no abst.) |
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08.05.01 |
米国癌学会2008のトピックスから -その2- |
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今年の4月12-16日に、サンディエゴで開催された米国癌学会(AACR2008)で出ていた話題から、がん免疫療法関係について、-その1- に続けてお届けします。
REFERENCEは、abstract CD-ROMからの引用です。ただし、シンポジウム (#SY番号のシリーズ)ではabstractを提出していないという例が多数あ りました。
(3) 非小細胞性肺がんでもがん組織中のMemory T cells (CD45RO-high)
陽性の患者の方が長生きする
-その1-に記載した(1)の胃癌、食道癌の場合と同様に、非小細胞性肺
がん組織中のMemory T cells (CD45RO-high)陽性の患者の方が、
CD45RO-lowの患者よりも長生きする(p<0.00….1)というものです
(Ref. 1)。
しかもrelapse tumorではfoxp3+の制御性T細胞(Treg)は特に増えて
いないそうです。
J. Clin. Oncol. in press.とスライド表示されていましたので、まも
なく出版されることと思います。
大腸癌(Galon J et al. Science 313: 1960-1964, 2006)に続いて、
これだけの癌種で、がん局所へのリンパ球浸潤が予後を占うとなります
と、どの癌でもあり得る一般的反応だと推定され、がん治療においても
生体防御機構の保全・活性化は非常に重要だと思われます。
REFERENCE
1. #SY03-02 Shaping of an efficient immune microenvironment in human cancer. Wolf H. Fridman, Unite INSERM, Paris, France
(4) がんワクチンの投与後に抗CTLA-4抗体を投与すると明瞭ながん縮小
効果がある
T細胞表面のCTLA-4分子が標的がん細胞のB-7分子と結合したとき、活性
化を抑えるネガティブシグナルがT細胞内に発信されますが、抗CTLA-4抗
体(= ipilimumab)は、この結合を阻害することによって、抗原とT細胞
レセプターの結合を通じたT細胞の活性化状態を維持します。
Dana-Farber Cancer InstituteのDranoffは、GM-CSF geneを仕込んだ
X線照射がん細胞ワクチンGVAX投与後に抗CTLA-4抗体を投与すると、大部
分の症例で明瞭ながん縮小効果があることを、ステージIVのメラノーマ
で提示しています(Ref. 1)。
彼らは、すでに670例に実施しており、2009年にはsurvivalデータが出
る予定とのことです。
一方、昨日(4月30日)のBiotechnology Japanのニュース欄
<http://biotech.nikkeibp.co.jp/bionewsn/detail.jsp?newsid=SPC2008043054830>
に、米Medarex社と米Bristol-Myers Squibb社が、抗CTLA-4抗体薬剤
「ipilimumab」の生物製剤認可申請(BLA)を09年以降に延期することに
したと出ています。
この発表は、FDAとの協議の結果、2009年に出る見込みのsurvivalデー
タを待つことにしたものによると思われます。
従来、メラノーマでは、NCIのRosenbergのグループの全身リンパ球置
換法を除いて、各種のがんワクチンではほとんどobjective responseが
出ていなかっただけに、もしFDAが来年、「GVAX+抗CTLA-4抗体」治療を
認可すると、この影響は非常に大きいと思われます。
ただし、抗CTLA-4抗体を血中に投与すると強い副作用が出ます。特に
問題になりそうなのが、自己免疫疾患様症状の多発で、これをコントロ
ールできるかが、次の課題となるでしょう。
(注:当社の自家がんワクチンは、これまで既に700例を越える投与経
験がありますが、単独投与では、自己免疫疾患様症状を示した報告は1例
もありません。)
REFERENCE
1. #SY03-04 Balancing tumor immunity and inflammatory pathology. Glenn Dranoff. Dana-Farber Cancer Institute, Boston, MA. |
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08.04.30 |
米国癌学会2008のトピックスから -その1- |
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今年の4月12-16日に、サンディエゴで開催された米国癌学会(AACR2008)で出ていた話題から、がん免疫療法関係についてお届けしま す。
(1) がん組織中にメモリーT細胞が蓄積している患者ほど長生きしている
これは、日本の奈良医科大からの報告です。胃がんについてもポスタ
ー発表していましたが、食道がんでは、がん組織中にCD45RO+hiのリンパ
球が蓄積している症例では、CD45RO+loの症例に比べ、1年生存率が
86.7% vs 70%、3年生存率が 64.8% vs 30.8%、5年生存率 54.1% vs 30.8%
で P=0.036 となったとのことです。
がん組織中に細胞性免疫反応の形跡があるほうが経過が良い、という
この結果は、ドクター通信 from セルメディシン No. 75でお伝えしま
した「大腸がん-病理診断よりも免疫細胞集積の方が予後を占う」
(Ref.3)という点と趣旨は同じです。
REFERENCES
1.ポスター#262 Prognostic significance of CD45RO+ memory T cell in human gastric cancer. Kohei Wakatsuki, et al. Nara Medical University, Nara, Japan
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